首都圏の不動産価格の動向は、その時期の時勢を表すと言っても過言ではないでしょう。日本経済の中心を担っている首都圏近郊で、取引されている商品の中で最も高いのが不動産物件です。
首都圏不動産価格の高騰
2016年7月に行われた「主要都市別中古マンション70平米価格月別推移」調査によると、首都圏の中古マンションの価格は、そもそもの価格水準が高い東京での事例シェアが拡大傾向にあり、前月比でプラス0.6%の3494万円となっています。これは7ヶ月連続で上昇していることになります。
ただし、東京都単体でみると、中古マンション価格は前月比-0.1%の4786万円となっています。
価格上昇ストップ?
事実、調査結果によれば、東京都の中古マンション価格は、これまで徐々に上昇を続けていたものの、2016年7月期を以って連続上昇がストップしました。
ただし、ここで抽出しているデータは70平米規模以下のマンションを対象にしており、2DKタイプのファミリー層に向けた物件もあわせて数値化されています。
東京オリンピックがマンションの価格に影響するか
2020年にオリンピックが東京で開催されることになりました。これからオリンピック直前までは、各行政機関の元で、東京と近郊地域に膨大な予算を掛けてインフラ整備を行っていくことになります。整備の行き届いたエリアでの不動産価格は、整備価値が上乗せされて今後オリンピック開催までは反転して下落する事は無いでしょう。
しかし、奇しくもこのオリンピック開催が決定した後に、熊本と大分で大型地震が起こりました。東日本大震災からの建設業界人手不足と物資調達、円安傾向からの原材料価格上昇もあり、マンション建設原価が上がっています。
これらの傾向を踏まえた不動産価格は、中古マンション価格の連続上昇こそストップしましたが、小規模間取りのタイプマンションには堅調に横ばいまたは大きな値崩れなく続いて行くことが予想されます。
売却路線で価格をみる
不動産を売却して利益を得ようと考えている人にとっては、高騰し成熟した価格のてっぺんの状態で売りに出すことができるので、今が利益を出しやすいタイミングとなります。
ただし徐々に不動産価格が下降をたどるという予測もあり、今所有している投資用物件を、家賃収入を得る手段として使い続け、利回り運用を続けていくか、売却益を得るかの節目の年となるでしょう。
消費税増税の施行が先延ばしになっていますが、8%から更に2%の増税は、不動産の払いを行うオーナーにとっては目をつぶるに惜しい程の大きな金額になるはずです。
よって、これらの不動産投資を行うには、今が良いタイミングだと言えるでしょう。