設備に課税される固定資産税とは

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固定資産税というと、土地と建物に課税される税金ということはご存知かと思います。しかし、この他にも建物設備などの償却資産に課税される固定資産税があります。この固定資産税は、償却資産税と呼ばれることも多いです。

課税対象となる償却資産とはどのようなもの

償却資産とは、地方税法で次のように定義されています。

土地及び家屋以外の事業の用に供することができる資産(鉱業権、漁業権、特許権その他の無形減価償却資産を除く。)で、その減価償却額又は減価償却費が法人税法 又は所得税法の規定による所得の計算上損金又は必要な経費に算入されるもののうち、その取得価額が少額である資産その他の政令で定める資産以外のもの(これに類する資産で法人税又は所得税を課されない者が所有するものを含む。)を言います。

例を挙げると、会社や個人で事業などを行っている人が事業のために用いることが可能な構築物、機械、器具、備品等が償却資産に該当します。投資不動産に関するものでは、門や塀などの外構工事、受変電設備、壁掛型ルームエアコンなどの空調設備などが該当します。

 設備への課税はどのように行われるか

建物に課税される固定資産税には、外構や受変電設備、壁掛型ルームエアコンなどの空調設備は含まれていません。このため別途課税を行うことになっています。この設備への課税が建物への課税と大きく異なるのは、土地や建物に対する固定資産税は、特段の申告をしなくても納税通知書が役所から送られてきますが、設備への課税では課税対象となる償却資産を課税主体へ申告する必要があるということです。

申告義務者としては、償却資産を所有又は他に賃貸している人が該当者となります。したがって投資不動産に償却資産がある場合には申告する義務が生じます。

しかし、東京都などでは下記の償却資産は申告の対象から外れています。

  • 耐用年数が1年未満又は取得価額が10万円未満の償却資産について、税務会計上固定遺産税として計上しないもの(一時に損金算入しているもの又は必要経費としているもの)
  • 取得価額が20万円未満の償却資産を、税務会計上3年間で一括償却しているもの

また、価格等の算出の結果、課税標準額が150万円未満の場合には免税され、課税の対象とはなりません。

実際のところ課税はされるのか

不動産投資では一棟を所有していると外構などで償却資産が課税されるケースがあります。しかし、ワンルームなど区分所有への投資では課税標準額が150万円未満になることがほとんどとなるため、実際には設備に固定資産税が課されることはないと思われます。また、自主申告のため固定資産税ほど納税に対する姿勢は厳しくはないようですが、無申告などが発覚した場合などは厳しい処分が下される可能性もありますので十分に注意しましょう。