
首都圏のマンション価格は近年上昇を続けています。これには様々な要因が絡み合ってのものだと思いますが、特にワンルームマンションの価格推移について中古市場も併せて考察してみます。
新築ワンルームマンションの価格推移
新築ワンルームマンション(専有面積30平米未満)の価格は2015年で戸平均価格2629万円、平均坪単価354.6万円となっています。リーマンショック後の2009年がそれぞれ2263万円、327.2万円であったことから、2009年から2015年にかけて戸平均単価は約16%、平均坪単価は8%上昇したことになります。(※)
中古ワンルームマンションの価格推移
中古ワンルームマンションの価格は2015年で戸平均価格1310万円、平均坪単価202.6万円となっています。リーマンショック後の2009年がそれぞれ1035万円、164.5万円であったことから、2009年から2015年にかけて戸平均単価は約27%、平均坪単価は23%上昇したことになります。
中古であるため建築年が異なるので単純な比較はできないかもしれませんが、流通事例数と平均築年が2009年と2015年とではそれぞれ28,210件と57,783件、19.9年と21.2年であり、件数の多さから一定の精度は得られるものと考えます。(※)
価格推移の検証と今後の動向
新築物件では資材価格、労働力単価、土地仕入れ値の上昇などが供給側の価格上昇の理由の主立ったところだと思います。一方、需要側が価格上昇を受け入れてきた理由として、不動産投資熱の高まり、歴史的な低金利が続くことによる資金調達の容易さが理由として挙げられます。
一方、中古のワンルームマンションでは投資熱の高まりが価格を押し上げている一番の要因であると推察されます。中古だと新築プレミアムが無いため初期投資額が安く済み、賃料も元本価値の下落ほどは落ち込まないため投資のうまみが多いのです。この投資のうまみに注目が集まったため、ワンルームマンションの価格の上昇幅は新築物件よりも大きくなったと考えます。
また、2013年から流通事例数は減少している一方で、中古価格の上昇が始まったのも同時期です。このことから中古物件の確保が困難になっている状態、いわゆる出物が少ないという状況に陥っているとも考えられます。
今後の価格の推移
ワンルームマンションへの投資熱の高まりによる需要は今後もしばらくは続くものと考えられます。老後に備えた投資、安定したインカムゲインの獲得、相続税対策など理由は投資家それぞれだとは思いますが、やや不透明な景気の先行きが現物不動産への投資に向かわせている要因のひとつでもあります。ワンルーム投資に対する需要が続く限り、価格については大きな値崩れを起こすことはないと予測します。
- 出典:
https://www.shukan-jutaku.com/backnumber/wp-content/uploads/2016/09/20160530_oneroom_mansion.pdf
2016年5月30日号【ワンルームマンション特集】より












