投資家としてマンション経営を考えたとき、一番大切なことはどれだけお金や資産を増やすことができるかではないでしょうか。そのためには投資対象として、区分所有マンションと一棟マンションではどちらが優位なのでしょうか。検討してみたいと思います。
区分所有マンションのメリットとデメリット
投資対象としての区分所有マンションにおけるメリットとデメリットを挙げてみます。
区分所有マンションのメリット
- 初期投資額が一棟マンションと比較して安く、不動産全体の中では流動性が高い。
- マンションの建物全体の中から方角や間取り、上層階、下層階など、賃貸需要が高そうな物件(部屋)の位置を選んで投資できる。
- 2階以上の物件(部屋)を所有することで防犯や災害の影響を受けにくく、高いセキュリティ効果が期待できる。
区分所有マンションのデメリット
- 空室の影響を強く受ける。1戸への投資であれば、空室になると賃料収入が無い。
- 土地に対する権利は共有であるため資産価値が低い。
一棟マンションのメリットとデメリット
続いて投資対象としての一棟マンションのメリットとデメリットを挙げてみます。
一棟マンションのメリット
- 戸数が多いので、空室が発生しても収益に対するインパクトが小さい。また、事業的規模となり易く税制でも優遇される。
- 土地に対する権利が所有権であれば資産価値が高い。
一棟マンションのデメリット
- 初期投資額が区分所有に比較して高額であり、流動性も低い。
- 賃貸需要が低い1階にある住戸も投資対象となる。
- 天災、人災などのリスクは一棟全体で受けることになる。
投資対象としての検討
以上のようなメリットとデメリットがそれぞれに認められますが、投資スタイルによってメリットにもデメリットにもなるのがマンション経営の自由度です。
一棟マンションでは管理会社の選定、修繕の実施、内装の更新など投資家の意思で行えますが、タイミングや業者の選定などを判断する必要が生じます。この判断はマンション経営の収支に大きな影響を与えることになり、この点を大きなメリットと感じる方もいれば、区分所有マンションのように管理組合で修繕の計画と実施をしてくれるほうが忙しい自分にとっては魅力だと感じる場合にはデメリットとなります。
また、区分所有マンションには修繕積立金があるため、利回りが低くなるという意見もありますが、一棟マンションでもいずれは大規模修繕を行う必要はあるため、トータル的にはそこまで大きくは変わらないと考えられます。
以上から、区分所有マンションと一棟マンションは投資スタイルによって変わるのでどちらがお勧めということは一概に言えるものではありません。しかし、区分マンションを複数戸所有することによって上記の空室によるインパクトなどのデメリットは軽減され、リスク分散の効果も高くなり、事業的規模となれば税制の優遇も受けられます。メリットとデメリットを比較すると、区分所有マンションを複数持つことが優位だと言えるかもしれません。