マンション経営を行うためには、銀行から融資を受ける方が多いと思います。現金で購入できる方でも銀行の融資を利用することが多いと言われていますが、これは何故なのでしょうか。
マンション経営と銀行の融資
マンション経営を考えたとき、銀行からの融資は負債となって、返済額は費用にはなりません。これは簡単にいえば、その借入金は収益ではないので、返済額を費用としてしまうと収支計算上おかしなことになってしまうからです。一方で、支払利息は費用として計上することが可能です。
したがってマンション経営の観点からすると、銀行からの融資は、それほど節税効果が得られないこととなります。自己資金のある方は現金で購入した方が良いような気もしますが、何故、銀行融資を受けるのでしょうか。
投資効率の上昇
銀行からの融資を受けてマンション経営を始めることのメリットとして、レバレッジ効果があります。レバレッジとは「てこ」のことであり、小さな力で大きなものを動かすことを意味していて、投資の世界では小さな資金で大きなリターンを得ることをいいます。
マンション経営においては、銀行からの融資を利用することによって、小さな自己資金で大きなリターンを得ることが可能となるのです。
例えば、実質利回りが5%で1000の価格のマンションを考えてみましょう。このマンションを全額自己資金の1000で購入すれば、得られるリターンは50となります。このマンションを銀行から金利3%で700の融資を受けて購入すると、自己資金300については300×5%=15、借入金部分については、700×5%-700×3%=14となり、総合のリターンは29となります。自己資金に着目して考えると、全額自己資金は50÷1000で5%、銀行融資を利用した場合は29÷300で9.7%となり、銀行融資を利用したほうが投資効率が高くなることがわかります。
銀行融資の有効活用
マンション経営で成功するポイントのひとつは、銀行融資の有効活用だといえます。限られた自己資金を有効に使って、リターンを大きくしていくことは投資では大切なことです。
日本銀行によるマイナス金利の適用など、大規模な金融緩和政策によって、現在の銀行融資の金利はかなり低くなっています。この低金利を利用することで、レバレッジ効果も一段と高くなります。
借金というと悪いイメージを持たれる方もいらっしゃるかもしれませんが、マンション経営において銀行融資が受けられるということは、投資戦略としても大変有効な方法なのです。投資用マンション購入時には、銀行融資の利用を検討されることをお勧めします。