マンション経営が順調だと、不動産所得が黒字化して所得税や住民税の納税義務が生じるようになります。更にワンルームマンションへの投資を拡大させて戸数を増やしていくと、10戸に到達した時点で事業的規模となって節税効果が高くなることをご存知でしょうか。
不動産所得の事業的規模とは
マンション経営による所得は不動産所得となります。不動産所得は、マンション経営が社会通念上の事業と称する規模かどうかで所得金額の計算の取扱いが異なってきます。事業としての規模と認められると、一定の要件をクリアすることで特別控除額が65万円になるなどのほか、税務上のメリットが大きくなる特典が認められているので節税効果が高くなります。
事業に該当するかどうかの判断基準として「貸間、アパート等については、貸与することのできる独立した室数がおおむね10室以上であること。」と国税庁のホームページに記載されており、この基準によるとワンルームマンションの場合には10戸以上の運営が必要となります。しかし、概ねの記載があることから、10戸未満の場合でも認められる可能性がありますから、事業的規模の判定については税務署への確認をお勧めします。
事業的規模による節税のメリット
マンション経営が事業的規模と認められると、不動産所得の計算において次のような節税につながるメリットがあります。
- 青色申告特別控除
複式簿記で記帳した申告書を期限内に提出することで、最高65万円の青色申告特別控除を適用することができますが、事業的規模でない場合には10万円が最高額となります。
- 事業専従者給与
規定の書類を定められた期限までに税務署に提出することで、青色申告の事業専従者給与又は白色申告の事業専従者控除の適用を受けることができます。白色申告の場合には配偶者86万円、それ以外については50万円までとなります。
事業専従者給与を経費とすることで所得が分散されるため、節税につながります。
事業税のデメリット
不動産所得が事業的規模となることで、青色申告特別控除を行う前の所得が290万円を超過すると、超過した金額の5%相当額を事業税として納税しなければなりません。
しかし基本的に節税のメリットのほうが大きくなりますので投資額を大きくしていくのであれば、まず事業的規模を目指して投資を行ってみてはいかがでしょうか。