ワンルームマンションを始めとした不動産投資には、節税効果があると言われます。この節税効果はどのようにして生まれるのでしょうか。また、ワンルームマンション特有の有利な点などがあるのでしょうか。
ワンルームマンションの節税効果
ワンルームマンション経営で節税効果が得られるのは事実です。この節税効果は、資産運用の観点からは所得税や住宅税の節税効果が、相続時には相続税の節税効果が得られます。
例えばサラリーマンであれば、ワンルームマンションなど賃貸経営の結果、不動産所得が赤字になると給与所得と損益通算することが認められているので節税効果が生まれ、不動産所得の赤字に対応する税金が還付されます。また、損益通算された確定申告の結果が住民税にも反映されるため、住民税の納税額も軽減されます。
相続税では、マンションの評価額が土地の持分については相続税路線価による評価、建物については固定資産税で評価され、一般的に時価よりも安い金額になるため節税効果が生まれます。
不動産所得の赤字
所得税の還付ですが、不動産所得の赤字金額以上の還付が受けられる訳ではありません。そうなると不動産投資を行っても損をしているだけのような気もします。しかし、不動産所得の計算には、減価償却費といって実際の支出を伴わない経費があります。減価償却費の計上による赤字であれば、実際のキャッシュフローは黒字でも帳簿上の計算では赤字ということになります。
建物の使用による減耗や時間の経過による老朽化などによって価値が減ると考えられる資産を減価償却資産といいます。この減価償却資産の取得費を耐用年数に応じて配分した費用が減価償却費なのです。
ワンルームマンション特有の有利な点
減価償却費が多ければ、それだけ費用が多く計上でき、赤字の金額が大きくなるほど節税の効果は高くなります。
ワンルームマンションは面積に対して台所、バスなど水回りの設備が占める割合が多く建築費が高くなります。この特徴によってワンルームマンションは建物価格の比率が高くなるため減価償却費を多く計上でき、他のアパートやファミリータイプのマンションなどと比べて高い節税効果が得られるという点で有利となります。また、ローンの利息を費用とすることが認められていますが、不動産所得が赤字の場合には土地に相当する利息は損益通算できないため、建物比率が高いと建物の利息として認められる金額が多くなる点でも有利です。