利回りとは投資の収益性を表す指標のひとつですが、利回りだけに捉われてしまうと本質を理解できません。株式投資と不動産投資の利回りについて考えてみたいと思います。
利回りとは何か
利回りが収益性を表す指標として投資で用いられるのには理由があります。それは利回りを求める計算式の理解のしやすさ、銘柄や物件の比較可能性に優れているためです。
利回りは、1年間の利益額を投資額で除して求めますが、これは投資額に対する1年間の利益額の割合を表していることになります。この利益額の種類によって利回りの持つ意味が変わりますので注意が必要です。
次に比較可能性についてですが、投資額は銘柄や物件によって変わります。例えば100万円の投資額に対して10万円の利益が得られる投資と、500万円の投資額に対して40万円の利益が得られる投資を比較した場合では、利益額は500万円の投資額のほうが大きいですが、利回りは500万円の投資額は8%であるのに対し100万円の投資額は10%と大きく収益性に勝ることがわかります。
株式投資の利回り
配当に着目して株式投資に用いられる利回りは配当利回りです。株式の銘柄によって配当利回りは大きく異なり、一般的には2%を超えると高配当と言われますが、銘柄によっては5%を上回るものも数多く存在します。しかし、配当利回りが高いからといって、それだけを理由に銘柄を選ぶと失敗することがあります。業績悪化により株価が下がったために利回りが上がっているケースがあるためです。このような銘柄ではいきなり配当が下がったり、無配になったりすることもあります。そうなると当初に期待した利回りが確保できないばかりか、投資額自体の回収も難しくなって大きな損失を抱えることになります。
このため株式の銘柄は配当利回りだけでなく、企業の業績や株式のチャートを分析した上で銘柄を選ばなければいけません。
不動産投資の利回り
不動産の利回りは、利益の種類によって表面利回り、実質利回りなどがあります。表面利回りは経費を考慮しない粗利回り、実質利回りは純利益に基づく利回りです。不動産投資の利回りの特徴としては、株式投資の配当利回りと比較して安定しており、2%以上の利回りの確保が十分に可能なことです。これは賃料が契約に基づくものであり、基本的に入居者が継続して居住している間は安定した家賃収入を見込むことができます。また、入居者の入替でも家賃には水準がありますので一定の利回りが期待でき、株式の配当のように大きな減配や無配になるという様なこともありません。
できる限り安定した利回りをお求めならば不動産投資がお勧めです。