リタイアをマンション経営の目標とすることから生じるリスク

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マンション経営を始めようとされるサラリーマン投資家の方が、家賃収入だけで生活することを目標とした場合には相応のリスクも負う必要があります。一方で、セミリタイアを目標とせずに公的年金以外の収入を獲得する手段としてのマンション経営は安全性が高まる傾向にあります。これはどのようなことでしょうか。

 

厳しいセミリタイアへの道

セミリタイアをするためにマンション経営によって獲得する純収益を仮に500万円とします。純収益の利回りが3%だとすると、500万円の純収益を得るためには合計で約1億7千万円のマンションに投資を行う必要があります。しかし、この計算にはローンの返済を考慮していません。ローンの返済額は返済期間や借入額によって変わりますが、仮に1億円を借り入れている状態で金利1.5%、返済期間30年で計算すると、年間返済額は415万円程度です。ローンの返済を上記条件で行うと手元に残るのは100万円未満となります。もし、同様の諸条件で500万円の純収益を獲得するためには、単純に8億5千万円のマンションが必要となり、5億円の借入を行わなければいけないという計算になります。

ローンを利用しながらセミリタイアをするのは、厳しいということが何となくご理解いただけましたでしょうか。

セミリタイアのために背負うリスク

それでもセミリタイアをするためにアパートや築古、地方の物件、何らかの問題のある物件、経費率を下げるために一棟マンションを購入して利回りを上げようとする方がいます。確かにローンを利用しながらであれば、利回りを上げることで純収益を増やせます。しかし、利回りを上げることは相応のリスクを背負うことを忘れてはいけません。

高い利回りは、純収益の獲得を保証するものではなくリスクが伴うために物件価格が安くなっていることが多く、利回りの高さはリスクの高さを表しているともいえます。無理をしてリスクを取ると僅かな期間の空室の発生や修繕費の発生によって、ローンの返済に行き詰まってしまいます。

老後の資産形成のためのマンション経営

高いリスクを負ってまでセミリタイアを目指すよりも、老後の安定的な収入の獲得のための資産形成を目的としてマンション経営を行う方も多くいます。多少、利回りが低くなっても新築、築浅のワンルームマンションであれば、残存耐用年数も長くなるので長期の借入が可能です。また、長期の返済期間であれば月々の返済額も少なくなりますので、少額の自己資金から始めることができます。

60~65歳頃にローンの返済が完了すれば手元に残るキャッシュが大きくなるので、老後の生活のために財源として頼れる資産がマンション経営によって得られるのです。