資産運用というとリスクが大きくて危険というイメージを持っている方も多いのではないでしょうか。確かに資産運用にはリスクが伴いますが、そのリスクの内容を理解することでリスクコントロールを図り、リスクに応じた運用先の選択もできるようになります。金融商品によってリスクはどのように異なるのでしょうか。
生命保険や個人年金保険
生命保険は、そのリターンのタイプによって定期保険、養老保険、終身保険の3つに大別されます。このうち資産運用に当てはまるのは養老保険で、満期を迎えた時の満期保険金は支払った保険料よりも大きくなるのが一般的です。個人年金も積立を行い、将来年金を受領するタイプの保険となります。
ともに中途で解約してしまうと元本割れを起こすリスクがありますが、保険料支払いを継続する限りにおいて元本以上のリターンが期待できるため、安全性の高い資産運用先となります。
しかし、インフレリスクには弱く、積立期間にインフレが進むと実質的な貨幣価値が低くなり、結果として期待していたリターンが得られないリスクがあります。また、マイナス金利の導入により保険料の引き上げやリターンの低下などが指摘されています。
株式投資や投資信託
株式投資や投資信託は、資産運用のなかでもポピュラーなものです。これらの商品は一般的にハイリスクハイリターンと言われており、大きな収益を得られる反面、大きな損失を出す可能性があります。
しかし、投資先の銘柄や投資信託商品には様々な対象があり、投資先を精査することでリスクを抑えることも可能ですが、その場合にはリターンが小さくなる傾向があります。一方でインフレの発生により株価なども上昇する傾向があるため、インフレリスクには比較的強いと言われています。
マンション経営などの不動産投資
マンション経営などの不動産投資は、ミドルリスクミドルリターンの資産運用と言われています。これは株式投資のような短期間で価格変動が起こるリスクが小さい一方で、リターンについても上下の変動が小さく安定しているためです。安定的な収益の獲得が期待できるマンション経営は、長期の資産運用に適した投資です。また、実物資産での運用ですから、インフレ下においては不動産価格や家賃上昇の期待もできるため、インフレリスクにも強い資産運用だといえます。
マンション経営だけで大きなリターンを得ようとすると、運用資産を増やさなければならずリスクは高くなります。しかし、老後の資産形成のための一つの手段としてということであれば、株式などに比べリスクが低く、保険などに比べてリターンが大きいことから、運用先の一つとしてお勧めできる資産運用だといえます。