マンションの財産評価と節税との関係

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マンションを購入すれば相続税対策となると聞いて、賃貸経営を始めてみようという方もいらっしゃることでしょう。しかし最近、マンションにおける財産評価の見直しということを耳にすることがあるかと思います。このことだけを聞くとマンションを購入しても相続税対策の効果が無くなってしまうのかと心配になるかもしれませんが、一体どういうことなのでしょうか。

 

マンションによる相続税対策とは

マンションを購入すればなぜ相続税対策ができるのかというと、マンションの購入価格と相続税における財産評価額の差を利用するからです。不動産の相続税における財産評価額は、土地については時価の8割程度、建物については5~6割程度になります。したがってマンションの購入価格に比べて相続税の財産評価額は安くなり、現金そのものが遺産になるよりもマンションを所有することによって相続税が安くなります。

マンションの財産評価は階層に関係無く、土地と建物の評価額を単純に持分換算するため、タワーマンションの上層階では購入価格と財産評価額の乖離が一段と大きくなることから富裕層に好まれ、相続税対策だけのために購入されることが多くありました。

マンションの財産評価の見直し

固定資産税におけるタワーマンションの財産評価の方法が見直され、平成30年度より新たに課税されるものから適用となります。これは階層による価格差を織り込むことで税の公平性を図るためです。このことが相続税対策に影響を与えるのではないかと話題になっているのですが、相続税に大きな影響を与えるところまでには至っていません。

しかし、タワーマンションを利用した相続税の租税回避に相当する行為が問題となっており、明らかに問題があると判断された売買については否認された事例もあります。このため相続税におけるタワーマンションの財産評価もやがて大幅に改正される可能性は否定できません。

ワンルームマンションの賃貸経営への影響

以上のように、タワーマンションは購入価格と財産評価額との乖離から問題視されていますが、ワンルームマンションの賃貸経営は相続税の課税上の問題とはなってはいません。また、タワーマンションの売買が当局によって否認されたのは死亡直前で購入したり、相続後すぐに売却したりした事例などです。

ワンルームマンションの賃貸経営であれば、現行の税制においては賃貸に供することによる評価減も併せて、これまでと変わりない相続税の節税効果を受けられますから安心です。