「貯蓄から投資へ」このような言葉が盛んに聞かれる様になってきました。資産運用によってお金を増やすという意識改革が求められています。働いて得た収入を貯蓄して老後に備えるという時代は終わりを告げているといっても良いでしょう。なぜ、資産運用の重要性が高まっているのでしょうか。
変化した国内情勢
貯蓄から投資へという言葉は、時代の流れを表しているといっても過言ではありません。かつて高度経済成長期から昭和のバブル崩壊までは預貯金の金利が高く、貯蓄をしているだけでお金が増えていくという時代でした。
現在は歴史的な低金利が続いており、貯蓄をしてもお金はほとんど増えません。貯蓄をしていれば安定した老後が送れるという時代は終わり、これからは資産運用によってお金を増やすことに重要性が認められる時代になったのです。
将来への漠然とした不安
資産運用の重要性が高まっているのは、金利が低いからという理由だけではありません。長寿による社会保障費の拡大、財政悪化に伴う国力の低下、進む少子高齢化、信頼の揺らぐ公的年金制度というように、将来に対する不安が大きくなっています。老後の生活の支えとなってきた公的年金ですが、少子高齢化によって、その制度自体の維持に疑問が持たれる状況なのです。
公的年金の原資は労働者の所得から拠出される社会保険料、国民年金などとなります。実際に65歳以上の人口に対する20~64歳人口の比率は、2010年に2.6人であったのですが、2035年には1.6人に、更に2060年には1.2人になることが見込まれています(国立社会保険・人口問題研究所「日本の将来推計人口」)。
一方で長寿により老齢人口は増加し、医療保険、介護保険などを中心に今後ますます社会保障費の負担が拡大していく見通しです。
このような状況から、将来的には公的年金から得られる収入は減り、高齢者の社会保険料の負担が増える可能性は高まることが見込まれていますので、将来への不安は増すばかりとなっています。
自己防衛のための資産運用
このように日本の国内情勢は大きく変わってきています。資産運用の重要性が高まってきているのも、従来のような貯蓄ではなく資産運用によってお金を増やすことが、自分の将来の生活を守ることにつながるためなのです。
老後の生活において、切り崩した貯蓄を生活費に充てて暮らしていくだけでは、漠然とした不安を拭い去ることはできません。リタイアした老後も資産運用によって安定した収入口を持つことが出来れば、充実したセカンドライフを送ることが可能となります。やがて来る老後の生活を自己防衛するためにも、早い時期から資産運用を始めることを検討しましょう。