マンション管理規約はつい放置されがちですが、マンション管理組合を運営するためのルールを規定しているため、定期的な見直しが必要です。なお、マンション管理士に委託しなければマンション管理規約は見直しができないわけではありません。国交省の「マンション標準管理規約」を参考に現在の管理規約を見直すことも可能です。
マンション管理規約はマンションのルールブック
マンション管理規約は、管理組合を運営することに欠かすことができないルールブックです。そのため、新築されて年数が経過している場合には、現状に見合わない内容になっている可能性もあります。
区分所有者の権利関係や管理の基本原則などが定められているため重要な規約ですので、本来なら常に注視ながら見直すような要求がいろいろな区分所有者から出ても不思議ではないといえます。それなのに見直しがあまり行われることがない理由として考えられることはいくつかあります。
マンションの管理規約が見直されない理由
新築当時は、マンションを分譲する際にデベロッパーが設定した管理規約を用いて区分所有者から書面で承認を得ることが一般的です。
しかし、管理規約を読んだことのある区分所有者が少なく、十分に認識や理解できていないままという場合があります。また、管理規約を改正するときには区分所有者の4分の3以上の賛成を必要とするなど、特別決議事項であることが見直しのハードルを高めています。
さらに管理組合をサポートしている管理会社が、これらの複雑な事情や手間がかかるという部分で、管理規約を改正することに積極的に動かないというケースもあります。
新築当初のままでは後でトラブルが拡大する可能性もある
しかし、現状に見合わない管理規約のままでは、いざトラブルが生じたときに問題を拡大させる可能性があります。そのため、標準管理規約の改正以前のマンションの管理規約については、現状のマンション管理組合の運営状況に照らし合わせながら本当に見直しの必要はないか確認することが大切です。
マンションが古くなるに従い、区分所有者の高齢化によって役員のなり手が不足している場合がありますし、管理費などが滞納する問題など、様々なリスクが高くなっていきます。国土交通省では、マンションの実態に応じて管理規約を制定や変更するときに参考にできる「マンション標準管理規約」を公表していますので、参考にしながら検討してください。
また、マンション管理の専門家であるマンション管理士にマンション管理規約の内容について相談したほうがスムーズなケースも多々あります。現状の規約を見直す機会として、一度相談する機会を設けるようにしていきましょう。