禁断の賃貸ウラ事情?! 広告宣伝料という名目の『AD』の謎に迫る!

皆さんは『AD』という言葉を聞いたことありますでしょうか。

 

テレビでよく聞く「アシスタントディレクター」の略ではなく

広告の英語表記で「Advertisement(アドヴァタイズメント)」の頭文字2つを取って呼ぶ不動産用語のひとつです。

 

このADという仕組みには色々なものがありますので、今回は賃貸の裏事情を含めて、不動産投資に関わるお話をしてまいります。

 

 

目次

  • 賃貸会社のやる気が変わる、ADの実態とは
  • ADが無くても賃貸が付く不動産投資とは
  • ADよりも効果的な募集方法とは

まとめ

 

 

  • 賃貸会社のやる気が変わる、ADの実態とは

 

 

宅建業法には「仲介手数料は借主・貸主双方から合わせて最大1ヶ月まで」と決められております。

 

なので、入居者から仲介手数料を1ヶ月分貰うと、それ以上の仲介手数料を仲介会社は得ることが出来ません。

 

ところがSUUMOやHOME’Sのような賃貸検索サイトに情報掲載するにはお金(

掲載広告宣伝料)がかかります。

 

この費用を仲介会社は基本的には貸主側から取ります。

この費用のことを通称『AD(Advertisement)』と呼びます。いわゆる広告宣伝費という名目です。

 

ただこの金額も入居者から頂く礼金から出されることが多く、オーナーが出しているといった感覚にはなり辛いかもしれません。

 

例えば下の物件の例で見てみましょう。

 

【モデルケース】

賃料90,000(内訳:家賃80,000+共益費10,000円)

敷金1ヶ月・礼金2か月・仲介手数料1ヶ月・AD1ヶ月

 

このようなケースの場合、前回の記事でお伝えしたように、敷金礼金、仲介手数料の基準となるのは青色の「家賃」と記載された金額です。賃料が家賃と共益費や管理費に分かれている物件はそれだけ初期費用が安くなるという

ことです。

 

それに対してADの上限は存在しません。

 

ADは通常1~2か月です。過去にAD4ヶ月という驚きの物件も存在しました。

 

「客付」をした賃貸仲介会社がこの広告料と仲介手数料を貰うことが出来る為、賃貸仲介会社はこの客付ADが多い物件を好みます。

 

通常仲介会社は仲介手数料しかもらえないのですが、ADがあることで報酬が2倍や3倍になる為、俄然やる気が出るという仕組みです。

礼金は基本的には賃貸管理会社とオーナー様とで折半になるケースが多いので、この賃貸管理会社側の礼金の一か月分をADに使うケースも多くあります。

 

 

皆さんも、賃貸探しに行った際に「おススメの物件はコレですね」と言われてマイソク(図面状況)を見せられたことはありませんでしょうか?

 

こういった物件の多くは客付けADが高めに設定されている場合がほとんどです。

 

家賃交渉くらいなら積極的にやってくれる場合も多いので、確認してみるのも良いかもしれません。

 

もちろんADなしの物件を単純に勧めてきているケースもありますので悪しからず。

 

 

 

  • ADが無くても賃貸が付く不動産投資とは

 

 

仲介会社にADを払う物件は賃貸がなかなか付かない物件と言えます。

このような入居募集に苦戦する物件はオーナー様から広告料といった名目で、礼金全額を賃貸管理会社が貰うケースが存在します。

 

ADを多く払わないと決まらない物件は地方物件や、都心から離れた物件でよくあるケースで、不動産投資としては成功とは言えません。

 

ではこのADがなくても賃貸が決まる物件とはどのような物件なのでしょうか。

 

 

・人気のエリア(新宿・渋谷・品川・東京・秋葉原・池袋。川崎・横浜に直結の路線)

・駅徒歩10分以内の物件

・相場賃料よりも賃料が少しでも安い物件

・複数路線が使用可能な駅が最寄り

 

上記条件をクリアする物件は人気が高く、借り手がすぐに決まるケースがほとんどです。

 

そして駅徒歩も重要ですが、周辺相場賃料をよく調べることも重要です。

特に同じ物件で募集が出ている場合は、少しでも他の部屋より安いだけで決まる可能性は格段に

上がります。

 

 

 

  • ADよりも効果的な募集方法とは

 

 

さらにADよりも効果的な賃貸募集方法について話します。

業者目線でいえば、ADが多ければ多いほど、仲介会社のやる気は上がりますが、入居者のマインドは上がりません。

 

なぜなら入居者は初期費用を少しでも抑えたいと思っているからです。

 

そこで効果的なのが『敷金0・礼金1』です。

 

敷金は預かり金ですので、退去時に精算して入居者に戻すケースも多いので、最初に取る必要が実はあまりありません。

 

そして礼金は戻ってこないことから、入居者心理を考えるとあまり払いたくないと考えますので、この割合が低ければ低いほど決まります。

ただし礼金も0にするのはADを自腹にしなければいけない可能性があるので1ヶ月は取りたいところです。

 

 

そして極めつけは『フリーレント』です。

 

家賃を初回1ヶ月タダにしてしまうやり方です。

入居者は前家賃(最初の家賃)を払わなくて済むので初期費用も抑えられて、喜んで住んでくれます。

 

ただ、フリーレントにする場合は、家賃を予定していた金額よりも1,000~3,000円ほど高くすることがポイントです。

 

そうすることで、最終的な収支はあまり変わらない計算になるので、こういったテクニックを知っておくのも重要です。

 

 

まとめ

 

 

前回の記事でも書きましたが、賃貸管理はただ任せるだけではなく、ご自身でも考え方をしっかり持つことが重要です。

 

不動産投資は物件選びと運用管理、賃貸管理、そして出口戦略が重要です。

今回は賃貸管理の部分で話をしましたが、皆さんの不動産投資が少しでも良いものになることを願っております。

 

この記事は不動産投資マッチングサイトのエステートラブに掲載されました