今年も確定申告の時期がやってきましたね!
株や投資信託、不動産を売ったとき、生命保険の満期返戻金を得た際など、所得が2箇所以上になった場合にはサラリーマンの方でも確定申告が必要となります。
納税申告の場合、例年2/16~3/15までに税務署に提出する必要がありますので、ご注意ください。
今回は、資産売却時 (譲渡所得が発生した場合) についての特集です。
【目次】
◆譲渡所得ってなに?
◆譲渡所得の計算方法
◆実際の利益はどのくらい?
◆不動産の売却時に気を付けたいこと
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◆譲渡所得とは・・・
一般的に、土地、建物、株式、ゴルフ会員権などの資産を譲渡することによって生ずる所得をいいます。
ただし、事業用の商品などの棚卸資産や山林などの譲渡による所得は、譲渡所得にはなりません。
引用:国税庁「No.1440 譲渡所得」
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1440.htm
資産運用をされている方には、譲渡税は馴染み深いかもしれませんね。
一番身近な株式投資ですと、売却益『キャピタルゲイン』に対して一律約20% (所得税15%、住民税5%)の税金がかかります (※復興所得税は2.1%上乗せされます)。
⇒最近よく耳にするNISA (少額投資非課税制度)は、非課税期間に該当する年の売却益や配当金に対しては税金がかからない制度になっています。
株式の税率
図1 引用:国税庁「No.1463 株式等を譲渡したときの課税(申告分離課税)」
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1463.htm
◆譲渡所得の計算方法(土地や建物を譲渡したとき)
株式を売却する際と同じで、不動産を売却して利益が出ると譲渡税を納める必要があります。
不動産の場合には、何年所有したかによって税率が変わります。
★短期譲渡★ (譲渡した年の1月1日現在の所有期間が5年以下の土地や建物を売却した場合)
⇒譲渡税=課税譲渡所得金額×39% (所得税30% 住民税9%)
★長期譲渡★ (譲渡した年の1月1日現在の所有期間が5年以上の土地や建物を売却した場合)
⇒譲渡税=課税譲渡所得金額×20% (所得税15% 住民税5%)
㊟平成25年から令和19年までは、復興特別所得税として各年分の基準所得税額の2.1パーセントを所得税と併せて申告・納付することになります。
税率の判断は、《所有してから1/1を何回迎えたか》をポイントにしてください。
6回目の1/1を迎えたら長期譲渡になります。
参考:国税庁「No.3202 譲渡所得の計算のしかた」
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3202.htm
次に課税譲渡所得を求めましょう。
課税譲渡所得に上記税率をかける事で譲渡税を求めることが出来ます。
課税譲渡所得金額=(売却価格-売却時費用)-(購入価格+購入時費用-償却額)
※売却時費用・・・印紙代+抵当権抹消費用+仲介手数料など
※購入時費用・・・登記費用+融資事務手数料+印紙代+仲介手数料等もしくは売却価格の5%
※償 却 額・・・(取得価格-未償却残高)+(本年分の普通償却費÷12×売却月)
このような式で課税譲渡所得を求めることが出来ます。
参考:国税庁「No.1440 譲渡所得」
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1440.htm
◆実際に得た利益は?
皆さん、一番気になるところは実際にどれくらい利益があるのかというところだと思います。
売却価格から返済すべき費用を相殺することで利益の計算をすることが出来ます。
↓公式はこちら↓
利益=売却価格-(借入残高+譲渡税+売却時費用+仲介手数料+一括返済手数料)
こちらの式で求めることが出来ます。
不動産をご所有されている方は、式に当てはめて今売却したらどのくらい利益が見込めるのか確認してみてください!
弊社では無料で査定を出すことが出来ますのでお気軽にご連絡くださいませ。
これまで譲渡税の出し方から利益の計算方法を述べてきました。
公式だけではイメージがつきにくいと思いますので、実際に計算してみましょう!
★課税譲渡所得★
下記の表の条件で譲渡税を求めてみましょう (数字は参考ですので実際とは異なる場合がございます)。
課税譲渡所得金額=(売却価格-売却時費用)-(購入価格+購入時費用-償却額)
(21,500,000円-30,000円)-(21,500,000円+1,075,000円-4,894,439円)=2,970,000円
⇒課税譲渡所得金額は 2,970,000円となります。
★譲渡税★
(例)課税譲渡所得金額が2,970,000円の場合
⇒短期譲渡
- 所 得 税 → 2,970,000円 × 30% =891,000円
- 復興特別所得税→ 891,000円 × 2.1% =18,711円
- 住 民 税 → 2,970,000円 × 9% =267,300円
合 計 → 1,177,011円
⇒長期譲渡
① 所 得 税 → 2,970,000円 × 15% =445,500円
- 復興特別所得税→ 445,500円 × 2.1% =9,355円
- 住 民 税 → 2,970,000円 × 5% =148,500円
合 計 → 603,355円
★短期譲渡の場合→譲渡税1,177,011円
★長期譲渡の場合→譲渡税 603,355円となります。
売却するタイミングやその時点での売却価格も変動するので一概には言えませんが、仮に同じ条件であれば長期譲渡に切り替わってから売却した方が税金を抑えることが出来ます。
状況に応じては、短期譲渡の時でも売却した方が良いケースもありますので、判断に迷われた際はお気軽にご相談ください【お問合せ | SRコーポレーション (sr-corp.jp)】。
次に利益を求めていきましょう。
利益=売却価格-(借入残高+譲渡税+売却時費用+仲介手数料+一括返済手数料)
30,000,000円-(25,000,000円+603,355円+30,000円+80,000円)=4,286,645円
この場合、約425万円が売却益として出たことになります。
◆不動産の売却時に気を付けたいこと
不動産を売却する際の形態として、『売買』と『仲介』の2種類あることを覚えておいてください。
仲介の場合、400万円以上の取引の場合、売買価格×3%+60,000円の仲介手数料が発生します。
同じ価格での取引の場合、仲介手数料が発生した場合は、『売買』での取引の方が手元に残る最終的な利益が多くなりますので、出口戦略についてお考えの際は、この取引形態も気にしてみてください。
また、建物の売却価格が1,000万円を超えた場合、個人の取引でもその翌々年には『消費税課税業者』に該当いたしますので、注意が必要です (※特定期間に1,000万円以上の売上になった場合には翌年が消費税課税業者に該当します)。
消費税課税業者の場合、課税売上に対して消費税を納める必要があります。
しかし、住宅用の賃貸収入は非課税収入なので、消費税課税業者に該当した場合にも、実際に消費税を納める方はほとんどいらっしゃらないと思います。
消費税課税業者に該当する年に、不動産を売却し譲渡所得を得てしまった場合には、消費税を納める必要がありますので、複数物件を所有している際には、売却時期にはご注意ください。
【詳しくは国税庁HPをご覧くださいhttps://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shohi/6105.htm】
いかがでしたでしょうか?
不動産運用には様々なHOW TOがあります。
不動産投資を取り組まれていて譲渡税の確定申告等のやり方が分からない方、出口戦略について考えている方、不動産投資をご検討している方がいらっしゃいましたら、ぜひ一度ご相談して頂ければと思います。
またご不明点やご質問点等ございましたら、お気軽にお問合せ頂ければと思います!
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