不動産所有者の海外赴任&移住にはいくつかの手続きが必要となるのをご存じでしょうか。
近頃、新型コロナウイルスも感染法上の分類が5類に移行するなど、海外へ行くことも増えてくるかと思います。
中には海外赴任などで長期の間日本を離れる方もいらっしゃるかもしれません。
実は、日本での賃貸不動産オーナーは出国前に様々な手続きをしなければなりません。今回はどのような手続きをしているのかを本コラムにまとめました。
今後の海外赴任&移住を少しでも考えている方は要チェックの内容ですので、ご一読頂けますと幸いです。
■目次
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納税管理人の選任
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賃貸人が個人か法人かの確認
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金融機関への確認
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各不動産管理会社・担当者・金融機関への連絡
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まとめ
■1.納税管理人の選任
日本で不動産を所有し賃貸している方の場合、日本で発生する所得について確定申告する必要があります。
また、不動産の所有者は、毎年固定資産税を納税しますので、「納税管理人」と呼ばれる、日本に住所のない海外在住者の代わりに税金に関する申告などの手続きを行う役割の人を選定することが必要です。
「納税管理人」には、親族はもちろん、会社や税理士を指定することも可能です。
「納税管理人」を選定し、管轄の税務署に届け出を提出すると、本人が海外移住後の税務署からの連絡や通知は「納税管理人」宛に送付されます。
前述したとおり、「納税管理人」は海外赴任&移住したご本人の代わりに確定申告の提出も行いますので、出来るだけ親族が好ましいかと思います。
参考:NATURE社HP「海外移住に必要となる税務手続きについて」https://www.nature-inter.com/column/751/
■2.賃貸人が個人か法人かの確認
まず、日本に居住していない方を「非居住者」と呼びます。
非居住者が日本国内にある賃貸物件を貸す際に、入居者が個人もしくは、親族の居住用以外の場合(入居者が法人の場合)は、入居者が非居住者に支払う賃料の20%の所得税を源泉徴収しなければいけません。
簡潔に述べると、「入居者に賃料の20%の納税義務が発生します。」
一例ですが、10万円の賃料で建物所有者が非居住者、入居者が法人だと、入居者が非居住者に対して8万円を払い、入居者が2万円を納税しなければいけなく、入居者の負担が増えます。
納税の仕方は、税務署から源泉所得税の納付書を貰い、毎月銀行やコンビニで振り込みます。納付書がなくなれば、再び税務署から納付書を貰わなければいけません。
※平成25年1月1日より復興特別税所得税が適用されますので、20%の源泉徴収と復興特別所得税0.42%を足して20.42%を納税します。上記の例の場合、非居住者へ79,580円を支払、20,420円を納税します。
賃貸借契約締結時に建物所有者が非居住者である事、そして入居者が法人名義の場合は、納税義務が発生する事を説明しておかなければトラブルになる可能性がございます。
オーナーである非居住者は、納税管理人が確定申告をする事により20%の税金から一部が戻る事になります。
社宅代行をしている業者に聞くと、法人は建物所有者が非居住者の賃貸物件を借りたがらないケースが多いとのことです。
このトラブルを避ける為には、[賃貸管理会社が建物所有者から賃貸物件を賃借し、これを第三者(入居者)に転貸(又貸し)する方式]のサブリースにしておくと、非居住者と賃貸借契約をしている法人は賃貸管理会社になりますので、納税義務は賃貸管理会社とすることができます。
サブリース方式ですと、建物所有者が非居住者であり、入居者が個人でも法人であっても関係なく、入居者に20%の納税義務は発生しません。
建物所有者が非居住者の時は、賃貸管理会社が貸主になるサブリース契約にすると入居者層が広がり安心です。
※2023年4月10日(月)に筆者が国税庁に問い合わせた情報の為、今後変更する可能性はございます。
■3.金融機関への確認
賃貸不動産の所有者が、非居住者の場合、ローンの返済や家賃の入金がある口座の金融機関に確認を取る必要がございます。
どういうことかといいますと、賃貸不動産の所有者が海外移住する場合、口座が居住者口座から非居住口座に変更となります。
その場合、各金融機関の口座や送金(入金)が非居住口座に対応できるものなのかを確認する必要がございます。
非居住者は口座を解約しなくてはならない、あるいは口座を継続して保有できても手数料がかかることがある、取引の一部が制限されることがある等、制限が多い可能性がございますので要注意です。
下記は口座を継続して保有できる銀行になります。
出国ギリギリではなく、余裕をもってご確認ください。
参考:ファイナンシャルフィールド「海外転勤が決まった!どのような手続きが必要?(1)金融機関・住宅ローン」https://financial-field.com/loan/entry-150888
■4.各不動産管理会社・担当者・金融機関への連絡
各不動産管理会社・担当者への連絡は一番最初に行って頂いた方が、上記1.2.3がスムーズに進むかと思います。
連絡が必要な理由と致しましては、郵送物はもちろん、各不動産の管理組合における定期総会の通知書等、火災保険の更新に関する書類等、確実に本人もしくは代理人に届く流れを整えた上で出国してください。
また、住所変更の通知は、各不動産管理会社・担当者・金融機関等、様々な場所にする必要がございますので、担当者と相談した上で行って下さい。
■5.まとめ
いかがでしたでしょうか。
不動産を所有していると、様々な手続きが必要となります。
繋がりのある、不動産管理会社や担当者と相談の上手続きを進めることが、ミスや手続き忘れ等を防ぎます。
もし仮に、相談できる不動産管理会社や担当者がいない場合は、SRコーポレーションでは、お客様一人一人に寄り添ったご提案を従業員一同心掛けておりますので、お気軽にご相談いただければと思います。
ここまで読んで頂きありがとうございます。
引き続きSRコーポレーションをよろしくお願いいたします。
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