知っておくべき!?相続税の改正について

先月の記事にて不動産での相続税についてご紹介させて頂きましたが、今回は令和6年より改正された相続税と贈与税についてお伝えさせて頂きます!

【相続税と贈与税】

財産を継承する際に発生する税金には『相続税』と『贈与税』の2種類があります。

○相続税:相続によって財産を取得した際に発生する税金

fb0281bb-a0ca-4056-b25a-00fcca8cf910

引用:国税庁HP

○贈与税:個人から贈与により財産を取得した際に発生する税金

→生前贈与を少しずつ行う事で、相続税の負担を減らすことも可能です

〔一般贈与財産用〕

9c00fe7f-280b-4620-8bb0-4bbaf03d1835

引用:国税庁HP

〔特別贈与財産用〕

50adbafc-8207-46f1-adb1-bc5eaf3f0181

引用:国税庁HP

今回は、その贈与税の計算についての見直しがありました。

【贈与税の計算方式】

そもそも、贈与税はどのように計算するのでしょうか?

贈与税の計算を行う場合、『暦年課税』と『相続時精算課税』の2種類があります。

○暦年課税

暦年課税とは、1月1日から12月31日までの1年間の間に受けた財産が課税対象となる計算方法です。

110万円の基礎控除があり、控除額内であれば毎年贈与を行っても贈与税は発生しません。

○相続時精算課税

相続時精算課税とは、納税者の選択により贈与税、相続税の課税が行われる制度であり、

贈与を受けた際に2,500万円の特別控除額がある事が特徴となります。

2,500万円までは贈与税が発生しませんが、超えた場合には超えた額に基づき贈与税の計算を行います。

※ただし、下記の利用要件があります

①贈与者が、贈与をした年の1月1日現在で60歳以上であること

②受贈者が、贈与者の直系卑属である推定相続人または孫で贈与を受けた年の1月1日現在で20歳以上である

【令和6年度の改正内容】

この度の税制改正は大きく分けて4つあります!

①年間110万円の基礎控除の創設

相続税及び贈与税の計算を行う際、『相続時精算課税』と『暦年課税』の2種類から選択する事が可能となります。

今回の改正では、『相続時精算課税』を選択された方が令和6年1月1日以降に贈与により取得した財産に係る贈与税の計算を行う場合、贈与税の課税価格から基礎控除額100万円が控除されるというものになります。

今までは暦年課税のみであった控除が相続時精算課税でも適用されるのです!

1c08ea46-a4f6-43e5-bcf4-ac65f54b1759

引用:令和5年度相続税及び贈与税の税制改正のあらまし

② 相続時精算課税に係る土地又は建物の価額の特例の創設

贈与税により取得した土地または建物について、贈与の日から申告書提出までの間に災害により一定被害を受けた場合に相続税の計算を行う土地または建物の価額は、

災害による被害額を控除する事が出来るようになりました!

a3ae2718-3cbb-4749-ae43-7bcf28bf983d

引用:令和5年度相続税及び贈与税の税制改正のあらまし

③生前贈与により取得した財産が相続財産に加算される期間を相続開始前3年以内から7年以内に延長

相続により財産を取得した方が相続開始前7年以内に暦年課税により財産を取得した事がある場合には、その価額を相続税の課税価格に加算する事が可能となります!

④延長された4年間に贈与により取得した財産の価額について、合計100万円まで控除

③により延長された4年間に発生した贈与では、100万円までは贈与税が発生しません!

今回の改訂により、以前よりも相続時精算課税をご選択される方が増えるかもしれません。

相続税と贈与税についてお悩みの方がいらっしゃいましたら、是非ご相談くださいませ!

 

参考文献:https://www.nta.go.jp