この世界には壁というものがあります。
壁とは、家の囲いとなり部屋と部屋を隔てる柱同士の間の部分のことです。
そんな壁ですが、最近話題になっている壁があります。
それはなんでしょうか?
今回は今話題の壁についてご紹介させて頂ければと思います!
【年収の壁】
今話題となっているのは、『年収の壁』と言われるものです。
もしかすると耳馴染みのない方もいらっしゃるかもしれませんが、簡単に言えば年収制限の事を指します。
日本の制度では、会社から受け取る給与の金額に応じて納税義務があり、社会保険料の支払いも発生します。
皆様もお仕事をされていらっしゃる方は毎年お支払いされているかと思います。
一方、収入が無い方は納税の義務もなく社会保険料の支払いもありません。
では、収入がいくらから発生するのでしょうか?
それが年収の壁と言われるものです。
【壁について】
壁はいくつもあります。
大きく分けると、『税金の壁』『社会保険の壁』『配偶者控除の壁』の3つに分けられます。
○税金の壁
収入がいくらあれば税金が発生するのか、それは税金の仕組みを理解すると分かりやすくなります。
皆様が普段お支払いされている税金計算には控除というものがあります。
その中でもここで重要なのは、給与所得控除と基礎控除です。
給与所得控除とは、税金計算の際に給与収入から控除される金額の事ですが、年収によって幾つかの段階があります。
引用:国税庁HP
その中でも最も少ないものが55万円となります。
一方基礎控除とは個人が受ける事が出来る基本的な控除となり、合計所得が2,400万円以下の方は48万円の控除があります。
つまり、この2つの控除の合計(103万円)までは税金計算上の所得は0円となり、税金は発生しません。
これがいわゆる、103万円の壁というものです。
○社会保険料の壁
先程の税金の他に社会保険料についても壁が2つ存在します。
106万円の壁
→勤務先の規模によって健康保険や厚生年金保険料への加入義務が発生
※51名以上の会社にお勤め・週の労働時間が20時間以上等という規定がございます
引用:厚生労働省「年収の壁について知ろう」
130万円の壁
→106万円の壁以外のお勤め先の場合に国民健康保険や国民年金の支払い義務が発生
この2つの壁の金額に到達するまでは、支払いの義務はありません。
○配偶者控除の壁
ご結婚されている場合やご家庭をお持ちの場合にお悩みされる方も多いと思いますが、配偶者控除にも壁があります。
103万円の壁
→配偶者控除の要件に《年間の合計所得金額が48万円以下であること》というものがあります。
この場合、給与所得控除55万円を考慮すると103万円までの所得金額であれば配偶者控除に該当する事となります。
そんな年収の壁ですが、現在引き上げを計画しています。
この背景には最低賃金の上昇があります。103万円という数字が決まった1995年から最低賃金の全国平均は上昇しており、約1.73倍となっています。
故に103万円も1.73倍である178万円へ引き上げようという事なのです。
もしこれが実現すれば、年収178万円までは税金負担がなくなり、パートをされている方などが税金を気にせずに、もっと多くの収入を得る事が可能となります。
最近は物価上昇に伴い可処分所得が減少し、お困りの方も多いかもしれません。
そんな方々にとっては追い風になる政策となるのです!
ただ、実際は国が壁を引き上げた分の財源確保が出来ていない為に、時間がかかる可能性もあります。
国の政策でも『貯蓄から投資へ』とありますが、今後の生活に向けて資産運用をお考えの方も増えています。
これからの資産形成や現在の税金についてお悩みの方がいらっしゃればぜひお問い合わせ頂けますと幸いでございます!
参考文献:https://www.mhlw.go.jp/content/001265287.pdf